2016年2月16日火曜日

アサドの難を逃れるシリア反体制蜂起市民の町が ミサイル攻撃を受け50人殺害

(パリ=飛田正夫2016/02/16 14:35日本標準時)15日シリアで病院や学校がミサイル攻撃されて50人が死亡する事件があり、停戦交渉の希望は遠のいた。東部のイデリブ(Idleb)地方のマレ・アル・ノーマネ(Maaret al-Noomane)市と、このイデリブより50キロほど北東部のアレップ(Alep)市とはシリア反体制側蜂起市民が占拠する町だ。この二都市がミサイル攻撃されて合わせて5つの病院と2つの学校がミサイルで爆破された。多くの子供など市民が50人ほど死亡し多数の負傷者がでた。シリアでは153の病院をフランスで生まれた「国境の無い医師団」(MSF)が支援している。今回のミサイル弾による病院爆撃は年始から5回目だという。今回、MSF関係者は8人が死亡した。

フランスのジャン・マルク・アイロー仏外務大臣は夕刻に記者会見し、この新たな攻撃を厳しく糾弾している。すでに2月1日にもシリア軍を支援するロシア空軍によってアレップ(Alep)の反アサド派のいる地区が爆撃され多くの難民がトルコ国境へと流されている。

国連総長バンキームーン氏はこの攻撃を国連(ONU)憲章を犯すものと考えていると国連のスポークスマンが語った。この犯行は先日のドイツのミュンヘン会議でシリアを国際的に支持したグループが関係しているとみている。シリア危機での重要交渉国の米国とロシアは最近の交渉で停戦の必要性を妥結し、人道支援の必要物資の輸送を速めていた。ていた。同スポークスマンはこの妥結を現実化しなければならないと話している。国連はミサイル攻撃の犯行者を名指ししていないが、シリアの非政府組織(NGO)ではロシアだろうとみている。

シリアのアレップ(Alep)の更に30キロ北方にあるシリア反体制側蜂起の穏健派市民の最後の砦であるアザズ(Azaz)の町でもロシアのミサイル襲撃によって病院と学校が攻撃されたと報告されている。子供達など市民が多数殺害された。シリアのアサド(Bachar el-Assad)大統領の爆撃を逃れてトルコ国境に近いこのアザズの町にシリアの独裁者アサドの難を逃れて大勢の難民が集まって来ている。

【参考記事】
http://www.ladepeche.fr/article/2016/02/15/2277649-bombardement-ecoles-hopitaux-syrie-50-morts-onu-condamne.html
http://www.france24.com/fr/20160215-hopital-soutenu-msf-touche-raid-nord-syrie
https://fr.news.yahoo.com/bombardement-d%C3%A9coles-dh%C3%B4pitaux-syrie-50-morts-lonu-condamne-193017832.html
http://www.francetvinfo.fr/monde/revolte-en-syrie/syrie-un-hopital-soutenu-par-msf-a-ete-detruit-par-des-frappes-aeriennes-suivez-notre-direct_1315939.html