2016年3月13日日曜日

カレで極右系活動家が 難民に「自分の家に帰れ」と反対抗議デモ

(パリ=飛田正夫2016/03/13 10:46日本標準時)12日、移民・難民のまだ残っているフランス北部の都市カレ市の中心部で、彼等に反対する届け出無しの違法デモが、極右系セクト(同世代グループ)の活動家130人ほどによってなされた。朝6時から市内の中心部でカレの難民キャンプへの入り口になる3カ所を統制しながら、「自分の家に帰れ」「通り道ではない」などと移民や難民を非難する文字を書いた横断幕を掲げて合議している。警察が介入しその内の14人ほどが拘置された。管轄のパ・ド・カレ県庁の責任者は、いずれにしてもどんな党派であってもだが、カレを極右系セクトの遊び場にはしない。厳しく取り締まると言っている。

12日、ドーバー海峡をイギリスに渡る最良の場所として難民たちに選ばれていたフランス側にあるカレ難民キャンプで非合法の無届デモがあった。ここは「ジャングル」と呼ばれて6000人もの外国人がトイレや水道施設の殆どない場所で自分たちの生活環境をそれなりに整えながら汚泥にまみれ貧困と寒さの中で暮らしていた。しかし地元の商業を営む人々は売上が30%ほども下がっている。汚いので観光客が寄り付かない。土地や家屋の値段が下落して市民生活にとってもも不衛生な難民キャンプのジャングルがある事は喜べないとして、仏大統領にカレに見に来てほしいと嘆願していた。

その難民の人々を人道支援してきたのが人権擁護協会の活動家たちで、支援者はフランス全土から集まった。、町の一般市民もこれを支持している人もいる。キャンプの南半分が、来週中には立ち退きと取り壊しが完了することになっている。

ジャングルの北側にはすでに、500人ほどを収容できるそれなりの下水道施設と暖房が整ったコンテナ式住宅が並んで建てられている。このコンテナ住宅には、自分たちの文化の匂いのかけらもないとして、移転入居を拒んでいる者が多かった。

英国行きを断念し、またフランスが気に入った難民などもいて、その人たちはフランスに留まることを決めてフランス語を学ぼうとしている。このような難民たちはボルドー方面など地方のいくつかの施設にバスで移動して行った人々もいる。またカレを諦めて更に北のダンケルクなどの港へと移った難民もいる。ここに至って強制立ち退きに最後まで反対する難民たちがカレにはまだ残っていて、彼らがこの極右系セクトに狙われた事件であった。前日の11日にはカレで難民を襲ったと見られる5人の男性が警察に捕まって起訴されていた。

【参考記事】
http://www.republicain-lorrain.fr/actualite/2016/03/12/nouvelle-manifestation-anti-migrants

http://www.20minutes.fr/lille/1804883-20160312-calais-manifestation-surprise-militants-extreme-droite

http://www.franceinfo.fr/fil-info/article/calais-plusieurs-interpellations-de-militants-d-extreme-droite-773731
http://www.metronews.fr/info/videos-calais-une-manifestation-d-extreme-droite-contre-les-migrants-de-la-jungle/mpcl!LPFBOYaPBCw/

追加
http://www.lavoixdunord.fr/region/manifestation-de-l-ultra-droite-a-calais-trois-mois-de-ia33b48581n3386500


http://france3-regions.francetvinfo.fr/societe/immigration?r=nord-pas-de-calais