2016年3月29日火曜日

ブリュッセルのテロ追悼式 国粋主義フーリガン介入で 人種差別の怨念と挑発が渦巻く 

(パリ=飛田正夫2016/03/29 12:32日本標準時)3月27日に、ベルギーのブリュッセル市内で22日に飛行場とメトロの自爆テロで死亡した犠牲者を追悼する式典が証券取引所広場であった。ここに450人ほどのフランドル地方から来たのがほとんどだという国粋主義的フーリガンが流れ込んできて式典を妨害した。「我々の国だ」「外国人は出て行け」などと声を上げて人種差別的な怨念を爆発させた。警察が放水車で介入している。ブリュッセルではパリと異なるのは、テロ犠牲者への追悼だけでなくて、外国人や移民への怨念を持つ人々の介入として表現されたことだ。この国粋主義者のウリガンたちを支持して拍手する市民が大勢いたことである。フランス人の歌手で高額の税金を払うのがいやでスイスに住んでいるジョニー・ホリディという歌手は、ブリュッセルの舞台公演でパリのアンバリッド廃兵院での国葬でも3人の女性歌手によって歌われた、ジャック・ブレルを歌って気の早い観客に歓迎されたようだが、ジョニーの怨念をかう挑発的な上演からか27日にはこの公演の巡回は中止されている。27日にブリュッセルで予定されていた、「恐怖に対抗する行進」の催しも安全の理由から中止された。 

ベルギーにはチャチェン戦争などの武器が簡単に流れ込んでいるためにテロリストの格好の武器の格納庫になっているという。また2015年11月13日のパリ同時テロ襲撃事件の首謀者とみられるサラ・アブデスラム(Salah Abdeslam)は4カ月にわたる逃走を続けて逮捕された。アブデスラムの隠れ家となっていたマレンベック地区はイスラム主義者サラフィストがほとんどだと報道されている。マレンベックのような町がフランスには100カ所ほどもあると指摘されて、この発言が人種的差別を生むものだと大問題になっている。

【参考記事】

http://www.lemonde.fr/europe/article/2016/03/27/des-hooligans-perturbent-un-rassemblement-pacifique-place-de-la-bourse-a-bruxelles_4890834_3214.html

http://www.france24.com/fr/20160328-attentats-bruxelles-hommages-perturbes-hooligans-nationalistes-heurts-place-bourse

http://www.franceinfo.fr/actu/europe/article/attentats-le-point-sur-l-enquete-777855