2016年4月24日日曜日

シリア和平ジュネーブ交渉27日まで アサドの空爆で閉塞化

(パリ=飛田正夫2016/04/24 14:41日本標準時)2月27日にアサド政府軍によるシリア反体制側蜂起勢力によって占拠される市街地を空爆する停戦が初めて実施されていたが、この停戦は不安定なものでシリアの独裁者アサド(Bachar el-Assad)によってしばしば破られてきた。27日まで続けられるジュネーブでのシリア和平交渉は行き詰りを見せていることが現地の停戦に大きな不安を呼んでいる。4月土曜日23日にはシリア空軍が空爆を何度もおこなっていて、27人の市民が少なくとも死亡した。その内13人が死亡したのは首都ダマスの北東12キロにある蜂起勢力の陣営ドウマ(Douma)。アレップ(Alep)で17人が死亡した。非政府組織(NGO)のシリア人権監視団体(OSDH)が報告している。ラタキエ(Lattaquié)とオムス(Homs)では、蜂起するイスラム主義者と独裁者アサドの政府軍との間で激しい闘いが起こり、10人程が死亡した。その殆どが市民である。

ジュネーブに来ているアサドに反対するシリア反体制派蜂起市民側は交渉に参加することを停止し、もし状況が良くならない場合にはスイスを去ると脅かしホテルに閉じこもっている。2014年7月に国連総長バンキームーン氏により、シリア危機の和平解決策担当新特派員として任命されたステファン・ミスチュラ(Staffan de Mistura)元イタリア外相は、再度シリアを支持する17カ国と共同議長国であるロシアと米国と会見すると宣言した。ミスチュラ氏はシリア和平交渉が非常に困難なのは3極を持った鼎談交渉であり、その一つでも崩れると倒れるからだと説明し、今は3つの足がぐらついていると早急の会合の必要性を説いた。