2016年4月25日月曜日

ハノーバー到着のオバマ米大統領 EUとTTIPl合意希望に オランド仏大統領らが反撃

(パリ=飛田正夫2016/04/25 18:25日本標準時)ドイツのハノーバーに到着したオバマ米大統領に抗議するドイツ国民は数万人を数えた。これはオバマ大統領が24日にドイツのメルケル首相と会談し、現在進められている米国と欧州共同体との関税などの市場規制を取り除く大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定TTIP( Tafta)を目標とする米国と欧州共同体との自由取引交渉の合意を、オバマが年末までの大統領任期期間中に合意させようと急いでいる。しかし、その実現によって、米国で許されている温室効果ガスの大きな原因になるシェールガスや遺伝子組換え生物(GMO)製品が欧州共同体に流れ込むことになると環境団体などが反対してデモを繰り広げた。ドイツ政府№2の経済相で連立内閣を構成する左派の社会民主党(SPD)のジグマー・ガブリエル(Sigmar Gabriel)氏もこの米国との折衝なしで合意はお流れになるとして反対している。フランス通信(AFP)も、ドイツのデア・シュピーゲル(Der Spiegel)紙を引用して、同様にオランド仏大統領もこの話をメルケル独首相の招待でハノーバーに集まる英・仏・伊・の首脳の前でオバマ米大統領がTTIPを持ち出さないように拒絶している。規制基準の同じ国となら経済取引は容易だが、異なる場合には悪い方の基準が共通のものになる恐れがあるとして米国の農業や産業規準などの幾つかの規則変更が欧州共同体へ強いられる恐れもあるようだ。しかしながら、夕方の開会式にオバマとメルケルは企業家の側に立ってハノバー物産展の開幕式を打ち上げている。

一方、シリア危機に関してオバマ米大統領はシリアへ150人を最高限として兵の補強を計ることを25日にオバマはハノバーで話すだろうと匿名希望で高官が話しているという。また、オバマは24日に北太平洋条約機構(NATO)に関して話し、NATOメンバーは集団安全のためにも軍事費の出資に協力すべきだと、これまで十分に参加してなかったドイツを前に批判的に話している。

【参考記事】
http://www.euractiv.fr/section/l-europe-dans-le-monde/news/obama-merkel-make-joint-pitch-for-eu-us-trade-deal/

http://www.lefigaro.fr/conjoncture/2016/04/24/20002-20160424ARTFIG00068-barack-obama-en-allemagne-pour-defendre-le-libre-echange.php
http://www.rtl.fr/actu/economie/tafta-ce-que-contient-ce-traite-de-libre-echange-transatlantique-7782968688
http://article.wn.com/view/2016/04/25/Negociations_du_Tafta_Cest_un_texte_dangereux_on_ne_sait_pas/