2016年4月28日木曜日

病院を狙うアサド軍の空爆を批判 米はシリア市民救援者を「カスク・ブラン」と称賛

(パリ=飛田正夫2016/04/28 9:44日本標準時)27日夜、シリア反体制側蜂起勢力の町アレップ(Alep)東部でシリアの独裁者アサド(Bachar el-Assad)政府軍は、反体制勢力の傘下にあるアル・スカライ(al Sukkari)地区のアル・クダス(al Quds)病院とその隣家の住居建物を爆撃し、少なくとも14人の市民が死亡したとシリア市民擁護派がフランス通信(AFP)に報告した。シリア人権監視団体(OSDH)も爆撃がのアサド軍の戦闘機であることを確認している。AFP現地通信員は沢山の犠牲者が出たことや、この病院がこの地区で唯一の小児科医のいること。入院者は高齢者と慢性疾患者であったことなどを伝えた。このことで米国防相のスポークスマンマーク・トネー氏は、アサド体制が利用している作戦には、反体制派蜂起者の占拠する町の病院患者を狙っているという恥ずべき傾向がある。その市民を救助する。スポークスマンは犠牲者に弔辞を贈るとともに、アサド体制の暴力で苦しむ人々を救済してきた市民を守る市民救援者を青ヘルを被る国連軍のカスク・ブルー(casques bleus)に対し白いヘルメットのカスク・ブラン(casques blancs)だとして讃えた。シリア危機は親子二代に渡るアサド一家の独裁と闘う市民の蜂起から始まって、すでに2011年からのシリア危機では27万人以上が死亡。犠牲者の中には化学兵器や拷問によって殺害された反体制側の市民もいる。シリアの半分の人口が難民化している。自国の市民に大砲を向け殺戮を続ける大統領というのは国民にとって何なのか、それを見ながら許す国際社会というのは与同罪といってアサドの協力者と同じことになるのである。


このシリア反体制側蜂起勢力の町アレップ(Alep)では5年後の今でも、町を分断しての闘いが独裁者アサド軍との間で続いている。先週22日から爆撃が強まり、アル・クダス病院では16人が22日に爆撃で死亡し、この一週間でアレップでの犠牲者は100人の市民を数えている。チュニジアで2010年12月17日に野菜行商をして家計を支えていた学生のモハメッド・ブウアジジ(Mohamed Bouazizi)氏が不正な権力の圧力で仕事を禁止され焼身自殺をはかったことから、アラブの春は開始された。次々と倒れるマグレブ・中東の独裁者たちは身の危険を感じはじめ、国連の常任国で拒否権所持のフランスに助けを求めた。

しかしながらフランスは、2008年7月14日のパリ祭に独裁者アサドを国賓待遇し、また2007年12月7日には独裁者カダフィを仏大統領官邸エリゼ宮殿に待遇していたのはサルコジ前大統領だった。

今のオランド仏大統領はシリアの独裁を許さず即刻の国外退去をアサドに要求している稀な主張の大統領であったが、今は米国もその意見を承認するようになった。

【参考記事】
http://www.bfmtv.com/international/syrie-un-hopital-d-alep-bombarde-par-les-forces-gouvernementales-14-civils-tues-970264.html
http://www.bfmtv.com/international/syrie-un-hopital-d-alep-bombarde-par-les-forces-gouvernementales-14-civils-tues-970264.html

http://www.20minutes.fr/monde/syrie/1835535-20160428-syrie-14-civils-tues-bombardement-hopital-forces-gouvernementales
http://www.lexpress.fr/actualites/1/monde/syrie-pour-les-habitants-d-alep-la-treve-est-enterree_1786888.html
http://www.lepoint.fr/monde/syrie-de-mistura-veut-revitaliser-le-cessez-le-feu-28-04-2016-2035472_24.php
http://www.liberation.fr/planete/2016/04/27/syrie-moscou-saisit-l-onu-pour-enregistrer-comme-terroristes-deux-groupes-rebelles_1449039