2016年5月1日日曜日

ゴーン会長の ルノーと日産からの報酬22億円以上を 仏株主総会が拒否

(パリ=飛田正夫2016/05/01 16:36日本標準時)フランス産業界の花形ルノー自動車グループのパトロンカルロス・ゴーン会長の報酬が一般の社長に比べ余りにも多い2015年度は720万ユーロ(約10億8千万円)を貰っていてその内170万ユーロ(約2臆5500万円)は現金で受け取っている。この所得金額は2014年度とほとんど変わらないが、株主総会で上場40位株式銘柄CAC40のフランス企業では初めて54、12%がゴーン会長の報酬を拒否する投票をした。ゴーン会長への批判は前からもあってルノーとその傘下にある日産自動車からも報酬を同時に得ているためだとルモンド紙は解説している。例えば2015年度の所得はルノーからは720万ユーロ(約10億8千万円)で日産からは800万ユーロ(約12億円)で合計22億円以上になる。



フランス国のルノー株占有率を15%から19,74%にすることは、マニュエル・マクロン仏経済相とゴーソンとの間で4月に決められていた。この話が株主総会で話題になり、ルノーと日産とゴーン氏との関係が一機に緊張を生んだものと見られる。

2013年以来フランス企業の幹部の報酬は、仏私企業協会-仏企業活動(経団連)AFEP-Medefの規範の元に置かれているが、これは診断的なものにすぎず決定権があるわけではない。ゴーン氏は多くの批判を受けながらも結果的にはこの金を受け取ることができるので、自分の仕事の報酬だとして喜んでいる。ルノー自動車は国の株が20%近くになて、それが税金で支払われているためにフランス国民も無関係ではない。ゴーン氏の報酬はCAC40の社長を平均しても4倍多く貰っているが、いずれにしてもフランス社会の貧困化の中で、一人の社長が受けるには不必要なほどの天文学的数字の報酬である。

【参考記事】
http://www.lesechos.fr/industrie-services/automobile/021890637440-renault-les-actionnaires-rejettent-la-remuneration-de-carlos-ghosn-1218562.php
http://tempsreel.nouvelobs.com/economie/20160430.OBS9576/remuneration-de-carlos-ghosn-rejetee-nuit-debout-chez-renault.html
http://www.lemonde.fr/economie/article/2016/04/29/renault-la-remuneration-de-carlos-ghosn-maintenue-malgre-l-avis-contraire-des-actionnaires_4911217_3234.html