(パリ=飛田正夫2016/05/09 7:18日本標準時)5月8日は第二次世界大戦の終戦記念日で、フランスと連合国軍側が1945年5月8日にナチス・ドイツを打ち負かした日である。オランド仏大統領は凱旋門の無名戦士の墓を訪問し大統領任期の最後となる5回目の献花を捧げた。この日は71周年の終戦記念日にあたる。シャンゼリゼ広場の一番高い海抜70メートルほどの丘の上にある凱旋門にマニュエル・バルツ首相ら閣僚が集結した。来賓としてオランドはサルコジ前大統領を招待し丁寧に握手を最初に交わして迎えている。このことで何時もサルコジ支持で騒ぐ国営ラジオ・フランス・アンフォやフランス国営放送テレビA2は逆に面食らったようである。式典にはパリ解放当時10歳だったヴィクトール・ブランケー氏(81歳)も出席し「絶対に我れられない事だ」と話している。政敵でもあるサルコジ前大統領は2017年の仏大統領選挙に出馬したがっているが、未だに候補者宣言を表明していない。オランドも正式には候補者宣言を出していないがそれを望んでいるようだ。二人ともフランス国民からは人気が余りないが、オランドは対抗勢力の右派「共和党」(LC)からの大統領候補では、LC断トツの人気があるボルドー市長アラン・ジュッペ仏元首相では負けるので、サルコジを持ち上げたがっているようだ。しかしオランド氏は、みなさんに差し上げられる唯一つの情報としては、それはここに来年の5月8日にいるだろうということです、と語った。
儀式に出席したブランケー氏は、「それは喜びだったと同時に恐ろしいものを見たのでした」と語り、続けて「ドイツ兵の所に入り浸っていた女性が頭を坊主にされて、服にコールタールで鍵十字を書かれて、唾を吐きかけられていた」「それは直ぐに辞めさせられた」「そして、再建を考えなければと思うようになったのです」と語っている。
ヨーロッパの再建が平和を拡大すると考えられて最優先課題になっていたが、20年後の1975年にディスカール・デスタン元大統領が、仏-独間の和解を理由に終戦記念日を廃止した。1981年になって5月8日の戦争での死者追悼の儀式は国家の休日と決まった。
【参考記事】
http://www.lemonde.fr/politique/article/2016/05/08/francois-hollande-commemore-la-victoire-du-8-mai-1945-sous-l-arc-de-triomphe_4915501_823448.html
http://www.lemonde.fr/politique/article/2016/05/08/francois-hollande-commemore-la-victoire-du-8-mai-1945-sous-l-arc-de-triomphe_4915501_823448.html
http://tempsreel.nouvelobs.com/politique/20160508.OBS0009/francois-hollande-je-serai-la-le-8-mai-prochain.html