(パリ=飛田正夫 日本時間10/02/2017-06:59:08)フィヨンの妻ペネロップさんに続いてその子供のシャルルとマリーがまだ学生であった時に国会議員付きアシスタントとして2005年から2007年にフィヨン上院議員は雇用して息子シャルルには4700ユーロ(約70万円)、娘マリーに4200ユーロ(約63万円)の月給を支給していた。これに関し9日にフランス共和国裁判所は二人を架空雇用の公金横領罪で事情聴取したと報道された。すでに7日の週刊紙「カナール・アンシュネ」が暴露していたものだ。フィヨンの息子は弁護士でもなく、娘は学生なのに三重雇用がなされていた。その一般では考えられない非常識さと金銭モラルを失ったフィヨンの思考が問われている。
これらの裁判所の調べを不服に思っているフィヨンは裁判所の取り調べが法的に違法だとして反激を開始した。しかしフランス国営放送テレビA2の法律専門のジャーナリストのドミニック・ベルディハン(Dominique Verdeilhan)氏はまだ予備調査の段階なので最終的な結果はあと10日ぐらいかかるだろうと言っている。この次の週刊紙「カナール・アンシュネ」の暴露は何なのかとみんな期待しているが、フィヨンを信じるフランス人はフィヨンの仲間しかいなくなったようだ。しかしフランスのメディアの多くはフィヨンやサルコジを防御しているのである。
フィヨン元首相の妻の架空雇用の公金横領罪事件が暴露され裁判所の予備調査が開始された。これに対しフィヨンの2017年の仏大統領選挙予選候補者としての人気はがた落ちだ。
「共和党」(LR)内での分裂と批判も起きている。
特にこれまで黙っていたモデム(民主運動党)のフランソワ・バイル議長が8日にテレビ出演し、サルコジが2日前に2012年の大統領選挙運動資金の超過使用事件ビグマリオン(Bygmalion、Event&Cie)で裁判所送りになったばかりで、サルコジといいフィヨンといい金に汚いことを悲しみ批判して、じっとして黙視していられなくなったと語った。バイルはジュッペの出馬を期待しているのだが、ボルドー市長のアラン・ジュッペ仏元外相は自分も買ってシラクのパリ市長時代の架空雇用で刑務所刑の判決が出た時に濡れ衣を被り裁判沙汰になったことを思い出しているのか出馬の意思を明示しない。バイルはその点では優等性のようで自分をポー出身のこともあってアンリー4世に見立てている人で熱心なキリスト教徒でもある。しかし今の所バイル氏は大統領候補宣言をまだしてない。