2017年9月23日土曜日

マイ英国首相 欧州市場に背を向けられず 急激な欧州離脱(Brexit)に修正宣言

(パリ=飛田正夫) 9月22日マキアベリの生まれたイタリアのフローランスで講演したテリーザ・マイ英首相は平穏な欧州離脱(Brexit)の為に修正を急ぎ安全や経済面で欧州共同体(EU)への新たなパートナーとなる意欲を見せた宣言をした。英国は欧州市場に商品が輸出できない状態になってきて、英国の工場が外国に移転しフランス人など欧州勢も帰還する者が多くなっている状況の中で、欧州共同体(EU)市場を離れることは不可能だと判断した模様。2019年3月29日の英国の欧州離脱(Brexit)後の2年間の移行期間を、マイ首相は欧州市場での自由な取引を続行させていきたいと考えている。が、これを欧州側がどう受け入れるかは困難な状況で今後の交渉が懐疑的になっている。マイ首相は講演の中でテロリスト対策や安全、また英国の裁判所が欧州裁判所の判決を承認するなどの例をあげて欧州共同体(EU)との関係が将来も継続する旨を説明し、商業面での関係にもカナダと英国を除く欧州28カ国の締結した通商条約(Ceta)のようなものは不適合だといる。Brexit後の欧州市場参加の糸口を見出したい模様だ。(日本時間;‎‎‎23/‎09/‎2017-03:54)



マイ首相の今回の方向転換姿勢には、前回6月の地方選挙での敗北もあるようだ。これまでは英国は金融も大企業もヨーロッパの中継点として大きな力を持ってきたが、英国の欧州離脱が実現すれば、ロンドンにある意味が無くなるわけで、ドイツやフランスへの企業移転がすでに話題になっていた。
欧州側の英国離脱交渉の中心者であるミシェル・バルニエは英国側が来週にでも問題解決を可能にする提案を交渉のテーブルに出すならば、「緊急合意」は可能であるとイタリアのローマで答えた。バルニエはマイが具体的な数字などを上げることを望んでいるが、それが英国が困難な事も承知の上のようだ。
英国の欧州離脱というのは、一部のナショナリストに扇動されて国民投票を安易に行ってしまったという向きがあり、これを推進してきた国家書記ボリス・ジョンソンなどと衝突が起きている。今回のイタリアでのマイ首相宣言は、英国の欧州離脱(Brexit)に影響されている東欧諸国などに新たな影響がでると考えられる。(パリ時間;‎‎‎22/‎09/‎2017-20:54)

【参考記事】
https://www.ouest-france.fr/europe/grande-bretagne/brexit/brexit-theresa-may-souhaite-une-periode-transitoire-de-deux-ans-5264496
http://www.huffingtonpost.fr/2017/09/22/pourquoi-theresa-may-a-choisi-florence-pour-son-grand-discours-sur-le-brexit_a_23219065/
http://www.20minutes.fr/monde/2137547-20170922-theresa-may-veut-debloquer-negociations-brexit-florence
https://www.theguardian.com/politics/blog/live/2017/sep/22/theresa-may--florence-speech-brexit-eu-future-barnier-pm-to-outline-uks-brexit-future-in-vital-speech-in-florence-live-updates