2010年12月14日火曜日

ノルウェーでのノーベル平和賞受賞式、中国の怒りを牽制し 欠席国は3分1も

10日のノルウェーオスロでのノーベル平和賞受賞式には中国の刑務所で11年間の追放刑を受けている反体制作家、劉暁波(リウ・シアオポー54歳)氏の出席はなく。中国の怒りを恐れ授賞式に欠席する国が3分1もあった。賞は1989年の天安門事件で民主化鎮圧に抗議した劉氏の行動に献じられたものとノーベル賞委員会のトルビジョルン・ヤーグラン会長は宣言し、劉氏の釈放を呼びかけた。劉氏は中国民主化を要求した「08憲章」の起草者の1人で2009年の12月末に国家転覆罪で11年の拘置が宣告されていた。 

 「ルモンド紙fr.」など仏紙の報道によると、ヤーグラン会長は劉氏の家族も中国政府の許可が出ないためにオスロのノーベル平和賞授賞式に参列できないが、これは「必要かつ適切な処置なのか」と嘆いた。すでに中国と経済関係が深いとされるロシア、カザフスタン、コロンビア、チュニジア、イラク、イラン、パキスタン、アフガニスタン、フィリッピン、エジプト、ウクライナ、キューバ、スーダン、サウジアラビア、モロッコ、ベネズエラなど19カ国が不参加を表明していた。

 「もし中国が人権を擁護しながら経済社会の発展をするのであれば、それは世界にすばらしく大きな良い衝撃を与えるのだが、そうでなければそこに経済と社会の危機が出現して、(・・・)、最終的に総てが危険になる」とヤーグラン会長は続けて話した。

 中国側は、ノーベル平和賞を劉氏に授けたことをひどく憤慨し批判している。今週は劉氏の家族や天安門広場、在中国ノルウェー大使館周辺では警戒が特に厳重になっていた。BBCやCNNのインターネット放送は凍結されて劉氏のルポルタージュはできないようになっているという。

 中国の官報紙は、ノーベル賞受賞の機会を利用して、西欧諸国が新たな中国中傷のキャンペーンを打ち上げようとしていると批判している。

 オバマ米大統領は、ノーベル賞受賞の劉氏の欠席を残念なものだと語り、同氏の釈放を要求した。「米国は各国独自の文化と各国の伝統を尊厳する」と話し「中国の数百万の市民を貧困から救った作業はすばらしい。尊敬すべきものである。人権においても品位があると信じる」そして品位とは「釈放することである」 と話し、「人間の品位は社会の解放と法の支配という民主主義の前進に依っている」と主張する劉氏の言葉を引いて、中国に民主主義のさらなる発展を勧めている。