2011年3月5日土曜日

「アラブ諸国の春」で、リビア虐殺は 独裁者カダフィとの友好国フランスの武器販売が浮き彫りに

3月3日、ヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV )のエバ・ジョリ欧州議員がマルセイユの会合で「アラブ諸国の春」を髣髴させながら、「フランスのリビアへの武器販売」を指摘して「欧州の卑怯さを厳しく批判」した。このことで、辞任させられたばかりの政府№2のミッシェル・アイオマリ外務大臣(前内相、元防衛相)の同伴者オリエ国会連絡相が「冒涜だ」としてエバ・ジョリ欧州議員を告訴すると3月4日にフランス通信(AFP)に明かした。

2月27日のサルコジ大統領による内閣改造でミッシェル・アイオマリ外務大臣(MAM)が辞任させられたが、その同伴者のオリエ国会連絡相も一緒に年末から年始にかけてチュニジア家族旅行をしてチュニジアの独裁者側近から無料ジェット機と豪華ホテルの恩恵を蒙っていたが、不思議なことにサルコジ大統領からは解任されなかった人だ。

オリエ国会連絡相というのはこの10年来フランスとリビアの友好議員協会の会長を歴任していてリビアのカダフィ大佐とは20回ほど一緒に旅行してきている。フランスがリビアの独裁者カダフィに世界で最も多く売ったラファール戦闘機などもこういった流れの中であったと見られている。

2月23日に両者の関係が問われて記者会見したオリエ氏は、「カダフィの虐殺行為は逸脱だ」と批判しながらも、「自分がこれまでカダフィと交わしてきた過去の友情関係に後悔はない」と発言していた。

問題は、カダフィを巡る認識だ。カダフィは今から15日前に急に残酷な民衆殺害の独裁者に変身したのであって、過去のカダフィは善良な人であった。そのカダフィと友好を交わし武器を販売してきたのは誤りでないという見方だ。つまり過去のカダフィは善良な市民でこれに武器を販売してきたフランスのサルコジ大統領は正しいという見方である。

それに対して、カダフィは以前から人権を尊厳しない独裁者でありこれに武器を売ってきたフランスは誤っていたのだとするエバ・ジョリ欧州議員の立場である。