社会学者でサラフィストの専門家であるサミール・アムガァー氏は、2日に発表されたクロード・ゲアン仏内相(前エリゼ大統領官邸書記総監)によるイスラム過激主義と目される3人のイマムの排斥というのは、大統領選挙のために、トゥールーズとモントーバンでの連続殺害事件でフランス情報局の失策を忘れさせるためのものであったのではないかと見ている。10日、左派系知識人を多く読者に持つリベラション紙fr.が報道している。
-あなたはゲアン内相の過激派イマム排斥宣言をどのようにとらえるか?
私が驚くのは内相がトゥールーズでの襲撃事件の後に、大統領選挙直前にこのようなことを持ち出すことに驚いた。それはイマムが最も古くから監視の対象になっていることは明確であるからだ。私が特に面白く思うのは、内相がどの場面でどのコンテクストでもってこれを犯罪化させたかである。つまりそれが祈りの場であったのか、講演の場であったのか、勉強会の最中であったのか・・・、いずれにせよ、9月11日以降にこのような政府の厳重な方策は我々は目にしていないことであった。公式に公共の場で人が排斥されたのはこれが最初のことであったのだ。その目的はというとニコラ・サルコジがイスラム主義テロリズムと強力に闘っていることを示すためであった。しかし私はそれは同時に我々を煙幕に包み、前らメラ事件でのフランス情報局の闘いの失敗を忘れさせるためであったと見ている。イマムと説教師は国家情報局()厳しく監視されていいる。
-イマムの監視は何も新しい事ではないのではないか?
フランスはイスラム主義のテロリズムの動向監視は深い経験をもっている。この方面では我々は米国に比べても15年は進んでいる。イマムと説教師は国家情報局(DCRI)によって厳重に監視されていて、イスラム寺院(モスケ)は信者の狂信化と徴兵の場となっていると同局では見ているという。
-その見解はいまも有効だとあなたは思うか?
9月11日の襲撃からは、モスケには多くの情報局員が入り込んでいる。共和国に対する激しい抗議をみることは、排斥されるので非常に困難になっている。2001年から2011年ではフランスから排斥された数は40人を数えている。
-過激な説教師はそれで明快に減少したのか?
監視されていることを知っているために減っている。イマムの行動は自己監視の形態で行われている。安全のための圧力が彼らの行動を共和国との関係で決定させている。多くの説教師は宗教的な講演を実現させるために政治的なテーマ性を放棄した。彼らが共和国を話す場合には、それはイスラム信者に対する慈愛の演説かもしくは他宗を尊厳するという非常にコンセンサスのとれたものを通す事となる。
さらにはモスケの責任者はラジカルな説教にたいする悪意をもっているとも言うことができる。(・・・)
-フランスには過激派イマムは残っているのか?
二つのタイプがあると思う。フランスには2000人のイマムがいる内で極少数派はフランスに対し激しい行動を呼びかける攻撃的な演説をする。他は宗教的激しさ内の程度で、信者に対し他所の社会に悪影響を与えないように呼びかける。このような講演は比較的現在に行われているものであってフランス社会を批判するものではない。