ヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV )の大統領候補であるエバ・ジョリ欧州議員(68歳)を左派系のインターネット新聞「Rue89」が11日に招待した。そこで元判事であるエバ・ジョリはサルコジのカラチ事件とベッタンクール事件でサルコジは「疑わしきは罰せず」の「推定無罪」の背後に逃げ隠れることはできない。「複数者の推定」があるとして厳しく批判した。
エバ・ジョリは共和国大統領のサルコジが何故カラチ事件やベッタンクール事件を説明しないのか?メディアはこれを取材しようとしないのか?メディアの責任も追及している。
カラチ事件は2002年5月8日にパキスタンのカラチ南部で起きたで事件で、フランス造船局(DCN、当時は国営)技術者11人がテロで殺害された。この引き金になったのにカラチ政府へのフランス政府からのアゴスタ潜水艦購入契約の一部に賄賂(当時は合法)があって、その送金の途絶えがあり、この資金渡しとその一部が還流賄賂(当時も今も犯罪)していたことにサルコジの友人のレ バノン人ジアド・タキエディン(Ziad Takieddine)が関係していた。サルコジは当時財務相として契約調印の中心人物であった。
ベッタンクール事件は、ブルト前財務大臣が介入しサルコジ大統領も訪問していたベッタンクール邸宅での政治資金受渡し疑惑だ。この事件で現在ベッタンクールの管財人ド・マイストル氏はボルドー郊外のグラディニヤン刑務所に拘禁取調べ中だ。ベッタンクールの税金逃れした隠し金は暴露されているが、バラデゥー元首相の大統領選挙出馬の資金としてベッタンクールが出した金があるがこの受け取りでサルコジ(当時はバラデゥーのスポークスマンで内相)が関係していたという複数の証言がある。
召使い頭が録音した中には、リリアン・ベッタンクールがサルコジへはお金は渡したのか?という質問で、「それは済んでいる」と管財人のド・マイストルは答えているものもある。ペルクレス(ペックレス?)は選挙で負けたばかりだがこれにもお金をあげようなどと話されている。いまは死亡した女給頭からリリアン・ベッタンクールの運転手が聞いた話しだという証言がある。そこではサルコジがリリアン・ベッタンクールに金を受け取りに来ているのだというのがある。
エバ・ジョリはルモンド紙のような有名な新聞でも欧州エコロジスト・緑の党(EE-LV)へのインタビューにも来ていない。メディアをあげてのメランションの左派党(PG)担ぎにも不信を抱いているという。極右派の国民戦線(FN)のマリーヌ・ル・ペンの台頭にもメディアが責任があるはずで、一体どういう風な大統領選挙なのか?といぶかっている。
エバ・ジョリは、最近事故で手を怪我した後にメガネを取り替えた。メガネの色は赤色から緑色になったのは彼女の心の変化でもあるらしい。メガネの色については、エバ・ジョリはエコロジストへの愛嬌ですと12日のフランス国営放送テレビA2での「デバ」出演時に答えている。このA2の番組は出席者のデバ(論争)などではなくて、官製メディアが企画した各自の持ち時間で別々に登壇して話すもので相互の討議はまったく無いものだ。
デバがなければ民主主義の危機だとまで言われているフランスだが、大統領選挙の伝統がいま一つ消滅しようとしている。
もし左派が仏大統領選挙で勝利することがあったとしたら、それは右傾化するメディアをこの時点で捕らえて厳しく糾したエバ・ジョリさんの勇気と行動によるだろう。これでこころあるジャーナリストは立ち上がるはずである。
【参考記事】
Eva Joly : Mélenchon a « un programme des années 70 »