●メルシエ(1845-1916)「ダビッド」(1872)彫刻。柔らかい腺を実現させたこの作品で28歳にしてレジョンド・オヌール勲章を受けた。同時代の最良の彫刻家としてルネサンスを呼吸しながら古典の息吹きを現代性の中に再解釈させてみせた。
● ブガチィ(1855-1940)「イス」(1902)家具。1900年のパリ万博などで大成功を収めたイタリアの装飾家。エキゾチックな曲線のフォームと貴金属や真珠などを配し、皮やマホガニーの材料を使っての寄木細工や網目模様の透かし織りに特徴がある。
● ロダン(1840-1917)「歩く人」(1905)彫刻。フローランスでミケランジェロを学びその秘密が少しわかったと手紙に書いている。1875年から5年ほどベルギーに滞在し田園や森を歩く楽しみを発見したロダンは後にコンパスを開いたような両足で頭が除去された作品を作った。これをリルケは、「完全な歩く人だ。何も付け足すものはない」と評した。