2013年11月12日火曜日

仏サッカーチーム 南アで最高級ホテル宿泊 経済危機の中で論議

4日後に南アではじまるサッカー世界選手権出場のフランスチームは現地入りし、豪華なプール付きの5星ホテルに宿泊所をとった。料金は589ユーロ(約6万円)で参加国の最高。二番目に高いホテルを利用する398ユーロ(約4万円)の日本に比べても高額だ。安い方の例では北朝鮮の82ユーロ(約9000円)と、ホンジュラスの74ユーロ(約8000円)をフランス国営放送・テレビA2では例にあげている。経済的危機という状況での市民の生活を考慮してないという意見がでた。逆に産業に拍車をかける効果を期待する意見もあり論議が起こっている。(本文の初出 / 公開日時: 2010年6月8日 @ 7:0 )

ラマ・ヤッドスポーツ担当閣外相は6日、「自分がホテルを選んだのではない。今の経済危機を考慮すべきだ」と話していて、政府の態度とは少し違った立ち位置で牽制して見せるのは同大臣には珍しくない。いつものことだ。

現在フランスは都市部で失業率9.9%で失業者は約270万人に達している。ユーロの信用が後退し、6月7日パリ時間15時30分ごろには、対ドルでこの4年で最低の1ドル1.1951ユーロとなり、対円で91円を割り8年半ぶりの安値を記録した。 サルコジ大統領の人気も6月初めの世論調査では38%しか支持者がいなくなって最低値を更新している。経済危機が続く中で、サッカー場の増設や初等教育でのスポーツ教育の強化などが政府から打ち出され、スポーツ熱を高めることで市民の不満を解消し危機をのりこえようとサルコジ大統領は考えているようだ。

リュック・シャテル政府スポークスマンは、いま「大事なことは総てのフランス人、政府も含めてフランスのサッカー選手陣の支援に動くことである」として、政府への批判を封じ込めようとしているようだ。7日に予定されていた仏-独首脳会談がドイツのメルケル首相の日程がふさがっているとして、急遽、会談が中止され。その後に延期が発表された。ギリシャの財政支援で対立していた両首脳は最近では反りが悪い。フランスとの首脳会談はあまりドイツ政府にとって得策の次期だとは見てないということだろう。

7日、ブノワ・アモン仏社会党スポークスマンは、次第に金との結びつきが強まっているサッカーをビジネス産業の第一歩にしたいとしているようだとの見解を報道。フランス国内のテレビ放映権益やサッカーグッズ産業などで利益が見込まれる巨大な産業になる可能性が大きいとしている。学校の日課が午後はスポーツにあてられるカリキュラムがバカンス明けから実施されるが、これは児童の集中力増加を狙った学力向上を目している。逆に学力の不平等格差を増加させることにもなりかねない。多くの意味でスポーツの効用は善悪に作用する。場合によっては政府の市民操作の道具としても便利なものになる場合もある。

フランスのサッカーチーム( Fifaランキング9位)は、最近の友好試合でコスタリカ( 同40位)と2-1で勝ち、チュニジア( 同55位)とは1-1引き分け、 Fifaランキング84位の中国とは0-1と敗走している。

(参考記事)
(リベラション紙)
http://www.liberation.fr/sports/0101640035-sidney-govou-on-ne-peut-pas-dire-qu-on-est-en-confiance
http://www.humanite.fr/CDD-le-nouveaux-recourt-des-employeurs
http://www.fifa.com/worldfootball/ranking/lastranking/gender=m/fullranking.html#confederation=0&rank=193