仏国営ラジオ・フランス・アンフォ(RFI)やフランス国営放送テレビA2などの報道の姿勢が偏向しているように思える。12日朝にはマルセーユの市長ゴーダンやジャン・フランソワ・コッペ国民運動連合(UMP)議長の個人的意見がさも正当なように大きく報道している。聞いているに耐えられない。その中でクリスチャン・トビラ法相は20ヶ月前のサルコジのやり方でコッペらは考えるから、どうしてもオランド大統領やトビラ法相らも同様に裁判官から、サルコジ盗聴の情報を事前に得て知っていたという認識を持つのであると、現政権が司法の独立を尊厳していることを話した。
コッペ氏などの主張はそのような逆立ちした認識で裁判官から情報を得ていたとしているために、トビラ法相の辞任を迫っているわけだ。民主主義の三権分立をトビラ氏は守っていくことが現政権になってからなされていて、以前のサルコ状態ではサルコジがフランス人を盗聴していたのだといっている。ルモンド紙のジャーナリストのジェラール・ダベなどを盗聴していたエリゼ大統領官邸によるファデット事件は有名だ。
サルコジ盗聴のその内容に関しては一切知らされてなく司法への介入はしていないのだとトビラ法相は話している。
11日の仏最高裁判所では、サルコジ氏が返還要求をしていた手帳の返還が却下されて返されないことになった。それはサルコジがすでに大統領の保護権がなく普通の市民として考えられた上で、フランスの億万長者ベッタンクールの事件を担当していたボルドー裁判所のジャン・ミッシェル・ジャンティ氏ら3人の予審判事のこれまでの判決が支持されて続行されることになったことを意味する。つまりベッタンクール事件の裁判は継続されていくことになった。
2007年の大統領選挙でリビアの独裁者カダフィからの選挙運動資金を受けた疑惑や、世界的に有名なスポーツ用品のアディダス社長など実業家で大臣も務めたベルナール・タピ事件などにこのサルコジの手帳が関係すると判断したためである。サルコジにとっては大変に多くの事件がこれで一度に隠し消すことができなくなってきたわけで困っているはずだ。この点が非常に重要な12日のニュースなのだが、これがメディアでは隠されるようにして焦点がずらされたコッペやゴーダンなどの主張を大きく取り上げて報道されている。
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