ウクライナ東部の町で親ロシア派の暴動があいついでいて、7日から8日にかけての夜に東部ウクライナのロシア国境まで50キロほどの町ドネスク( Donetsk)などでは「ロシア万歳」の掛け声と供に多くの公共施設が分離主義者の標的にされ襲撃される事件が続いている。9日、北大西洋条約機構(NATO)のアナス・フォー・ラスムセン事務総長はロシアに対しウクライナ東部への介入は「歴史的な誤りであると」して止めるように呼びかけた。ラスムセン事務総長はロシア軍の国境付近への大掛かりな移動配置に非常な危険を心配すると話しロシアを弾劾。
これまでオバマ米大統領もプーチン大統領にウクライナでの親ロシア派を扇動した政治的不安定化を止めるよう呼びかけている。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相とジョン・ケリー米国務長官が7日に会談し、今後10日以内に欧米露ウクライナ間で問題解決の「直接交渉」の可能性を髣髴させていた。
しかし9日、ウクライナの首都キエフでもドネスクの町と同様に親ロシア派の抗議者が庁舎に火炎瓶などを投げ火災を起している。これに対しウクライナ政府は反テロリスト作戦をとって、同日(9日)朝までに70人ほどの親ロシア派の分離主義者を逮捕した。ウクライナ政府はロシアによる親ロシア派分離主義者への扇動が内戦の危機を高めているとして批判している。
2013年12月にマエダン蜂起の最中にキエフで誕生した反ロシア超ナショナリスト非合法民兵組織(Pravy Sektor)が参加していることがロシアに圧力をかけることになっている。
一方7日には、親ロシア派の分離主義者の一部少数者が「ドネスク人民共和国」と「ロシア編入」を宣言したが、ウクライナ警察によって逮捕される前に四散している。ロシアのインタファクス通信によるとこれらの親ロシア派少数者は5月11日前に国民投票を組織するといっているという。ウクライナ政府はプーチン大統領の分離主義が侵略することになるとしてロシアの介入を指摘し批判した。