2014年8月25日月曜日

都市が女性を締め出しているのなら、そのフランスの恐怖は何なのか?

フランス都市部の公共的空間が男性の占有物になっていて女性が締め出されているという。この傾向は地方都市の場合には更にきわだっているという。本来は男女に開かれているはずのベンチや公園やカフェやなど公共的空間にあって、「見えない壁」が都市空間を性的に遮断しているというのである。ルモンド紙が報道した。しかし、郊外都市とパリなどの都市部では経済的・人種的な住み分けができていてその文化的社会的な男女の生活スタイルが異なって存在するために、特に郊外都市で夜に外を歩くことは不安で恐怖を感じるというのは当然のことである。
例えば、女性は外に出たがらないとか、夜は遅くまで女性は出歩かないとかの習慣はごく一般的にフランス人にも昔から存在してきたものだろう。

ルモンド紙によると、国家観察郊外保護地区(Onzus)の研究では3人に1人の女性が自分の住む地区に安全性が無いと感じていると答えていて、これは都市中心部での同じ質問での5人に1人という結果に比べ多くなっているという。

イル・ド・フランス地方都市整備研究所の10500人の女性に対する調査によると、69%の女性がしばしば夜は不安な思いをした経験があると答えているという。

しかしフランスでは、昼でも人気のない街は普通であって、夜は街灯も少ないし歩いている人はほとんど無いのが一般的で不安や怖さは常にある。人が街路にいないというのは、それは習慣なので、フランスを日曜日の国といった人もいるくらいだ。

フランスでは夜は出歩くものではなくて昔から夜は恐れられているのである。問題はその不安や恐怖のつくられ方と、恐れられる対象を何にするのか、誰にしようとしているのかが問われなければならないだろう。恐怖は常に内側にあるからだ。