アルトーさんは、「オランド仏大統領は、フランス国籍剥奪論議で、右派やさらには極右系国民戦線(FN)の方策を執って見せたことで、政治的切断をしようとしたのだ」と見ている。最終的にフランス国籍剥奪法案は失敗した。国籍剥奪法論議はオランド大統領の失敗だと彼女は見ているようである。国籍剥奪法を捨てた痕跡が残った。テロを犯したフランス人二重国籍者の仏国籍剥奪でも、完全に総ての国籍を剥奪することは許されないので、一つしか持たない者の場合にはテロリストでもその対象にはならない。国籍が血の関係ではなく生まれた土地の関係を現代では重要視するために、国籍剥奪法ではこの「出生国権」が脅かされるという見方が背後にはあるようだ。この違いがサルコジ前大統領の親を移民に持つ子弟の国籍剥奪であるグルノーブル宣言と、「出生国権」尊厳の違いのようだ。つまり移民排斥としての国籍剥奪法論議と、11月13日夜に起きたパリ及びサンドニ競技場近くでの同時テロ射殺事件が、同時に混ざって政治的に右傾化の中で利用される関係があったということか。
オランドだけを見ると、バルツ首相は二重国籍者とテロリストと間で混ぜ込まれて引き起こされた感情の上で、誤魔化し的に悪いやり方で泳ごうとしたことは、それがFNの策謀のやり方なのでありこれが問題なのだとアルトーさんは話した。
ナタリー・アルトーさんは、労働者の立場を悪くするエルコモリー労働相の改革法案に触れて話し、3月9日のマニフェスタションの後では、政府は少し動きが変わって来たと指摘した。このマニフェスタションの闘いは労働者の権利に対する基本である。私はマニフェスタションが拡大化することを希望していると述べた。この労働法を完全にやめさせるかは力の問題にある。労働者はその秘められた力を発揮しなければならない。我々の多くがこれに反対し決意を持って行動すべきである。そうすれば成功するだろうと述べている。
2017年の仏大統領選挙の「闘う労働者」の立候補者であるナタリー・アルトーさんは、他党との共闘を希望していない。自分たちの確信と思想に真摯であろうとするからで、労働者の権利のための闘いが、彼らのための生活を変えるということである。キャピタリズムの大政党を前にして、ただ一つの勢力しかない。それが私の大統領選挙出馬の意味である。この社会には階級の利益があり、全体的な利益などというのはない。いつでも階級との闘争なのである。左派党共同議長のジャン・リュック・メランション(Jean Luc Mélenchon)氏は、こんなことは言わないだろうと彼女は指摘した。
【参考記事】
http://www.franceinfo.fr/emission/l-interview-politique/2015-2016/decheance-de-nationalite-pour-nathalie-arthaud-lo-francois-hollande-ce-qu-il-merite-31