2016年6月21日火曜日

戦乱と迫害で難民6千5百万人が家を失い隣国へ流浪 国際連合難民高等弁務官事務所が公式発表

(パリ=飛田正夫6/21/2016 4:10:57 日本時間)世界の難民・移動民の数は6530万人を数えたと国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)が2015年度の公式発表をした。シリア、イエメン、イラク、アフリカでの戦乱や迫害で国を追われて近隣国に逃げている数だとUNHCRではいっている。その数は前年2014年度の5950万人の9,7%増になっていて、英国の人口よりも多い。この20年間で最高を記録したと発表。その6530万人の内の2130万人が自国を去った数で、国内で家を去って流民化したのは4080万人だという。320万人が工業化した欧州などへ難民受け入れ申請をした数で、現在は113人に1人が、内的外的に流民化されて移住し難民申請を出しているとUNHCRでは言っている。別の国連(ONU)組織が担当しているパレスチナ人の難民は520万人いる。

その中でもヨーロッパへのサハラ・アフリカからの新来の難民の半分、約100万人がシリア難民で2015年度ではこれが最大規模になっていた。アフリカは、主にソマリア、南スーダン、RDCスーダン、中央アフリカの5カ国から441万人の難民を受け入れている。ヨーロッパの難民受け入れはドイツ、ロシア、フランス、スゥーデン、英国、イタリアなどが439万人受け入れている。トルコは世界で一番多く難民受け入れをしていて、パキスタンから160万人、リビアから110万人など合計380万人を2015年度は受け入れている。イエメンは人口の10%が難民化しているという。

2011年12月17日のモハメッド・ブウアジジ(Mohamed Bouazizi)氏の焼身自殺に端を発するチュニジアでのアラブの春の影響で、シリアの独裁者アサドは身の危険を感じ市民による民主化の動きに弾圧を開始した。シリアの独裁者アサド(Bachar el-Assad)を支持するサルコジやプーチンの支援などに支えられたアサドは、ますます市民を虐待し殺戮をおこなって2015年度には世界の難民や漂流民の数は最高記録国となっていた。一方で地中海を渡ってヨーロッパに身を寄せる難民の遭難事故が後を絶たない。この悲劇を許しているのは、世界のどの哲学・宗教・道徳もイスラム教もキリスト教も人を殺害することがどうしてよくないかを解き明かしてはいないし、これを禁じてはいないからである。

【参考記事】
http://www.liberation.fr/planete/2016/06/20/653-millions-de-refugies-et-deplaces-un-nouveau-record-mondial_1460657
http://www.lesechos.fr/monde/enjeux-internationaux/0211046386656-un-record-de-653-millions-de-refugies-et-deplaces-dans-le-monde-2007874.php

http://www.lexpress.fr/actualite/monde/65-3-millions-de-refugies-et-deplaces-dans-le-monde-un-record_1803925.html