2016年7月19日火曜日

ブルーノ・ル・メール前仏大臣 サルコジの国民分離策に不支持発言

(パリ=飛田正夫)「共和党」(LC)の大統領選候補 7月18日夜のフランス国営放送テレビA2にサルコジ前大統領の農水産大臣をやったブルーノ・ル・メール(Bruno Le Maire)氏が出演した。月曜日の司会担当は、ジュリアン・ブジィエ(Julian Bugier)氏で、今回のニース市で84人の市民や旅行者がトラック殺害されたことで、サルコジ「共和党」(前の国民運動連合UMP)党首やニース前市長で現在も実質的な実権を持つクリスチャン・エストロジィ筆頭助役らが、フランスを二分させようとしてオランド政権のテロ対策が不完全であったと発言して批判しているが、これをあなたはどう思うか?という極めてきわどい質問があった。「共和党」(LC)内の2007年仏大統領選挙の予選(プリメール)に出馬するル・メール元大臣は、サルコジやエストロジのやり方が良くないという立場であった。フランスの危機的状況にあってサルコジらが国の結束を壊して、分裂させるのには反対だと表明している。


フランスの「共和党」(LC)ではこの辺の態度をサルコジに従わず、正しく意見を言う人は少ない。いまの所は、自分の意見を言う議員としては、サルコジに干される前は、国民運動連合UMP(今の「共和党」LC)内部の重鎮で党№2であったナタリー・コシウスコ・モリゼ(NKM)さんがいる。サルコジ前大統領の講演原稿を書いていた元エリゼ大統領官邸特別書記官アンリ・ゲイノ・イブリーヌ県議員が、最近になって、パリのミューチュアリテ会場でのサルコジ支援の党大会を蹴って不参加し投票しなかった。ブルノ氏がこのように自分の考えを主張できる人であるとは誰も驚いたであろう。

実はこのフランス国営放送テレビA2とうのは、政府のテレビだが今もサルコジの任命した管理者が牛耳っているわけだ。サルコジやエストロジィの政府批判に反批判提出した16日の朝のベルナール・カズヌーブ仏内相の言葉は記者会見で発表されたが、A2はこれを報道しなかった。カズヌーブは、真実は威厳の中にあるべきだと話し、偽りの誤った情報を元にした報道や嘘の統計を元にして市民の不満を掻き立ててフランスを分離することは良くないと言ったのである。

カズヌーブ内相は、テロリストはフランスを分裂させることを狙っているとして、サルコジらの性急な根拠のない発言に対して、テロと同じく危機にあるフランスを動揺させ国民の結束を分断するものだと言ったのである。

しかし同国営テレビはこれを、すっ飛ばして報道せずに、同時に並んで共同記者会見したドリアン仏国防相の話しだけを報道した。

そういう事があって、その間にサルコジとエストロジィが再度、フランス政府を批判し、これはメディア報道された。

それで16日の夜にカズヌーブ内相は再度この件で談話を出したのだ。フランスの政界はこの論議で真っ二つに分かれて火の玉のようになっている。

誤れる報道に誘導されたフランス市民が、事実を誤認して逸脱した行動に駆り立てられてもいる。そういう人もいるが、一方でフランスが受けたテロの犠牲で今政治家が分裂しているが、また更なる分裂の挑発行為に、誤って乗ってはならないと語る、優秀な青年も18日のインタビューでは出演している。

パッカ(PACAプロヴァンス・アルプス・コートダジュール)地方やその中心のニース市というのは極右派系国民戦線(FN)のマリーヌ・ル・ペンやその副総裁のフローリアン・フィリッポの要塞である。この地でFNにクリスチャン・エストロジィが勝って、地方議員に当選したのは、前の地方選挙の決選投票で社会党(PS)の一方的な支援があったからである。サルコジ前大統領はこの共闘を自分はかっての作戦「ni-ni」を使うので助けもしないが助かりもしないとして、ナチズム政党の勝利を阻止しようとしなかった。

そのようなサルコジの危険な遊びに、「共和党」(LC)議員の内部から、またメディアの中かから正義の批判が起きてこないとフランスの民主主義は危険になるだろう。(文字数 ;1666)(投稿日本時間 ;2016/7/19午前9時9分)