2011年1月13日木曜日

ルノー電気自動車機密スパイ容疑で中国が批判、ルノー告訴無く?仏政府も取り繕いか?

クリスチーヌ・ラガルド仏経済相はルノー自動車機密漏れで中国にスパイの嫌疑をかけることを欲しないと12日に発言した。ルノーの次期電気自動車機密情報が同社幹部によって売られ国外に流れ出たとされ、疑惑のある幹部3人が解雇を前提とした会見が本社でもたれていた。ルノー自動車は13日に裁判所へ告訴することをほのめかした。フランス政府よりの新聞フィガロ紙は11日に情報源を示さずに「リヒテンシュタインに13万ユーロ(約1560万円)とスイスに50万ユーロ(約6000万円)の銀行口座が見つかった。これは上海とマルタからの送金であった」と発表するなど、中国筋を強調する動きがあった。 

このことで、これまで沈黙を守ってきた中国は11日に外務省スポークスマンが「全く根拠のないもので、無責任なものだ」とフランスを批判する声明を出した。

12日、ラガルド経済相はこの産業スパイ問題は常にあるものだとしながら、「どこそこの国とか、どこそこの系列会社とかを想定してそれを疑うべきではない。裁判所がこの問題に光を当てるのを自分は喜ぶ」と語った。

政府スポークスマンのフランソワ・バロワン氏はルノー自動車も他と同じく知識産業戦争の標的にされ犠牲になったと皮肉ながらに話し、「フランス及びフランス政府はそのことで、公式にどこの国も告訴してはいなかった」とする発表をした。これは中国側の厳しいフランスに対する批判に答えたものではあるが、フランスのとりつくろいの躊躇が感じられる。

結局は現在13日の時点では、ルノー自動車もその大株主のフランス政府(15%)も中国スパイ筋に関する告訴はしていない。

フランス国営放送・テレビA2などで先週放映された中国人女子学生の自動車産業バレオ社でのスパイ活動や、日本人旅行者が液体の中にネクタイを落とし、それを持ち帰り化学分析するなどのスパイ活動の手口を映じた反中国、反日本の教唆が予測されるようなテレビ報道はなくなっている。