2011年4月9日土曜日

リビア対地上攻撃でオバマ米大統領とサルコジ仏大統領が対立

もしNATO軍の援助がなければ反リビア政府臨時国家審議会側の支援は効果が薄くなり反対勢力を組織できなくなる。もうじき予定されるトリポリ占拠も不可能になってしまうのでサルコジ大統領はオバマ大統領に米軍の対地上攻撃機A10とAC-130の退却決定を取り消す要請をした。オバマ大統領はNATOの目的がリビアの飛行禁止領域設定、市民の安全保護、政治変革の状況づくりにありカダフィを打倒することではないとしてサルコジの要請を拒絶し意見が対立した。

オバマ大統領とサルコジ大統領は3月28日(月)にビデオ会議をした。これが3日に「ヌーベル・オブセルバトワー誌fr.」で報道された。

フランスと英国は地上爆撃の戦略機は余りない。この種の飛行機は強力なものがないという。

4月7日の「ラジオFrance Info」では、リビアのカダフィ軍攻撃の北大西洋条約軍事機構(NATO)軍にアメリカ軍は参加してないと報道した。英国もあまり気がのらずルーマニアぐらいしかフランスのリビア攻撃を支持していないという。

オバマ大統領は戦闘機は「スタンバイ」状態にしては置くとビドオ会議ではいっている。カダフィがベンガジの反リビア政府臨時国家審議会に攻撃を加えないかぎり再稼動はしないと話した。

ビデオ会議の後で、オバマ大統領は米国のリベアでの戦争介入動機に触れて、これは短期の時間的制限が性格づけられたもので米国は歴史的な国連議決1973(※)の提出国であるとしている。この中でオバマ大統領はフランスのまた仏大統領の役割を(認識が異なるとしたのか)一度も髣髴させなかったという。

フランスのサルコジ大統領が開始し欧米や世界機関を巻き込んだカダフィ空爆だがその当初から戦争動機が不明確な軍事介入ではあった。


(※)国連議決1973

「国連議決1973」は2011年3月17日に国連安全保障理事会で決議されたリビアと蜂起側の「反リビア政府臨時国家審議会」に関する条項。リビア上空に航空禁止領域を設定する事で、あらゆる手段を行使して、市民を保護するために各国の支持と参加とを可能ならしめるもの。