2011年11月6日日曜日

G20の解決できなかった課題、オランドのサルコジ批判で思うこと

カンヌでのG20はギリシャをはじめとする欧州の財政危機に新たな対策を何も打ち出すことができなかった。ただ今回新たにここで決まったことはイタリアが多額の借金で国際通貨基金(IMF)の観察下に置かれることになったことだ。4日朝、2012年度の仏大統領選挙候補のフランソワ・オランド社会党前書記長はニコラ・サルコジ大統領を批判して、「彼はG20の司会者として立ち現れたが、財政危機の真の調整役とはならなかった」といった。


これを不服に思った与党政権の国民運動連合(UMP)の議員らがオランド氏を反批判したと仏国営ラジオ・フランス・アンフォでは報道している。また民主運動(モデム)のフランソワ・バイル議長もサルコジがG20を仕切ってメディアを独占していると批判していた。

しかし事実を見るとユーロ通貨の信用は揺れ続けていてギリシャやイタリアの借金問題は解決などしなかった。収入や財産を他国の銀行に隠す大金持ちのパラディ・フィスカルを廃止する方策が出されたわけでもない。それどころか借金国ギリシャの市民に対する欧州大国の専制的な姿が目についた。

それより不思議なのは、G20と同時にカンヌ地方での大雨と大風交じりの災害で人が死亡したり家が浸水したりしたことである。天気予報官は悪天候が南仏で急に起きたといっている。誰も喜ばない災害は天の動きではあるが、人の動きに沿って起きたと見るべきだろう。そういう解釈は誰もこの国では自然の運行なのだからと軽視してしまいがちだ。

福島原発事故なども一人で自然が騒いだと考えて済ませがちだがそうではないのだと思える。こういうところに人知を超えた欧州の財政危機やG20の無策で終わった解決のでない問題の秘密があるのだといえそうだ。


【参考記事】
http://www.franceinfo.fr/Faits-divers-inondations/Orages-et-inondations-dans-le-sud-de-la-France-un-mort-438337-2011-11-05

http://www.franceinfo.fr/Economie-G20/G20-Hollande-dans-le-viseur-de-la-droite-437001-2011-11-04