2011年11月5日土曜日

カダフィ死後、子息とNATO支援国を、「戦争人権犯罪」で国際刑事裁判所に告訴

リビアのカダフィ大佐の長男セイフ・アル-イスラム氏に対しオランダのハーグの国際刑事裁判所(ICC-CPI )は降伏要求の交渉の最中で、3日セイフ・アル-イスラム氏はルイ・モレノ・オカンポ同裁判所判事にその可能性を伝えている。ICC-CPI は6月27日にカダフィ大佐とその息子のセイフ・アル-イスラム氏、カダフィ大佐の義兄弟アブドラ・アル・セニュシィ秘密警察局長らをリビア民衆の抗議に対しカダフィ軍が侵犯し鎮圧したことで、戦争の人権犯罪容疑で国際指名手配が出ていた。しかし10月20日にカダフィ大佐が殺害されて逮捕状は公式に消滅していた。

同時に、人権違反は北大西洋条約機構軍(NATO)支援国による空爆でも起こっていて、カダフィ大佐側の市民だけでなくリビア反体制派の国民評議会(NTC)側の市民にも犠牲者がでた。NATO軍の戦争人権犯罪がICC-CPI に告訴されていることをオカンポ判事は指摘している。裁判は別々に独立して行われる予定だ。

現在セイフ・アル-イスラム氏の行方が不明だが同氏の代行は、もし裁判所に出廷すれば無罪放免の可能性があるのかを質問していると、オカンポ判事は15カ国の国連安保理の代表の前で話した。

セイフ・アル-イスラム氏は、裁判の結果が、有罪、無罪いずれにしてもリビアへの帰還を否定する命令を要求しないよう判事に求めているようだ。

オカンポ判事は、セイフ・アル-イスラム氏の持つロンドンの銀行口座などは凍結されたが、金品や現金をまだ所持していて傭兵を動かし他国に逃亡する可能性があるとしている。