2012年1月8日日曜日

仏大統領選挙を前にジャンヌダルクの「恩恵」求め、サルコジとルペンが争奪戦

フランスの危機を救った歴史的なヒロインのオルレアンの少女ジャンヌダルクが生まれた1412年1月6日を記念してサルコジ大統領はフランス東部の彼女の生誕地ボージュ地方を訪問した。来春の大統領選挙戦への人気獲得の手がかっりを得ようとして、ジャンヌダルクが極右派の国民戦線(FN)の国粋主義的シンボルとして長らく独占されてきたことをやじって自分にもその恩恵がこぼれることを狙った模様。これに対し7日には、FNの仏大統領選挙候補マリーヌ・ル・ペン氏の父親ペン FN名誉会長はパリのルーブル美術館近くにあるジャンヌダルク騎馬像の前で演説し、大統領選挙がなければサルコジ氏はジャンヌダルクを表彰はしなかっただろうと話した。




仏社会党(PS)の№2のハルレム・デジィル氏はサルコジとペンのジャンヌダルク追悼行為はうまくいかないと6日にコメントした。それはフランス国民を統合するのではなくて分裂させるからだとしている。

これはジャンヌダルクというフランスの民衆に内在する歴史的ナショナリズムの共感を表彰することで国家的ヒロインの後光の恩恵に預かろうとする大統領選挙戦への票取り作戦であって、民衆の意識に深く根ざす歴史的シンボルの取り込みであることはみえみえだ。


今回はペン氏とサルコジ氏の争いとなったが、なんとも哀れな子供じみた行為である。しかし、フランス人のジャンヌダルク支持は70%以上と高い。


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