2013年11月8日金曜日

仏首相・外相・国防相がサルコジ大統領に反対 内相・移民相は人種差別を続投 内閣改造絡みか?

サルコジ仏大統領の何にみんな反対しているのだろうか。30日 オルトフゥ内務大臣は最近の18ヶ月の統計を上げて犯罪率は250%上がったとして、ロマ人による犯罪を烙印(スティグマ)化した発表をしたとフランス国営放送・テレビA2の夜のニュースが伝えた。同時にロマ人らしき子供がすりをしている映像フィルムが流されている。ベッソン移民省大臣は、盗みを何回か重ねると、国外排除されると発表した。このことは人種や民族別の犯罪統計による差別をしてはならないとする法律に違反する。しかし移民相と内相とは人権差別の流れを続行するサルコジ大統領支持の発言となっている。
フィヨン首相は23日のビルパン前首相の「サルコジはフランスの国旗にシミをつけた」との批判に対して、28日にこれを反批判してサルコジ擁護の熱弁をふるっていたが、30日朝のFRANCE Interラジオでは「ロマ人の排除などで大統領と大きく意見が異なっていた」と全然別なことを語っている。
フランス国営放送・テレビA2は、8月中旬に首相らが閣議のために訪問したブリガンソン要塞の大統領のバカンス地を訪れた折の映像を再放映している。その中では以前に使用された映像が再度使われたのだが、写した最後のカットが一部異なっていた。訪問時の記事には見せなかったものだ。それは大統領が気を落とした表情で門の坂を下りて帰ってゆくフィヨン首相を見送っているというものである。ブリガンソンでの閣議の詳しい内容はジャーナリストに秘密にされていた。が、今回初めて見せた映像は事件を納得させる説明材料になっている。
30日朝、クシュネル外務大臣はRTLラジオで「そうだ、自分は辞任を考えていた」と漏らしている。長年にわたりロマ人支援をしてきた同大臣にはサルコジ大統領とはこれ以上は付き合い切れないということらしい。同氏は27日には、在フランス大使を集めた前で「レッテル付けや風刺は受け付けない。絶対にサルコジ大統領は少数民を処罰しようなどとはしていない」と擁護論を標榜していた。
ヌーベル・サントラルの新政党を結成したばかりのエルベ・モラン国防大臣は、2012年の大統領選挙に出馬を考えていて、サルコジ大統領のグルノーブルでの人種差別発言以来すぐに大統領とは立場をことにする発言をしていた。
しかしなんといってもアラン・ジュッペ、ボルドー市長(元仏首相)が「旅の人々」とよばれる旅団の人々が起動隊によって排除されたが、この政府の排除のやり方に別の立場での意見を提出したことで、他の大臣たちがサルコジ大統領の移民差別政策への批判を掻き立てる大きな原因となったと見られる。
またその裏には10月に新内閣改造が予定されていて、それを見越しての各大臣の対応であったとも一部では見られている。大統領による人権・人種の差別問題が7月末のグルノーブルサルコジ発言以来フランス全土を震撼させたが、今頃になってしかも次期内閣人事に自分が入ってないとして鞍替えを決め込むのも見るに耐えられない。これはメディア側の対応姿勢の変容も同じである。
これによってサルコジ大統領陣営に大きく亀裂が入った。不安定化は避けられなくなった。このことを指して、30日オブリ社会党書記長(前雇用相・リール市長)が、フランス西部海岸ラロシェルでの社会党夏季講習会の閉会式に望み、「サルコジ大統領の政治が悪い、完全に失敗した」と宣言した。

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