フランス現政権与党の国民運動連合(UMP)は地方圏議会選挙敗北後の国民的論議のテーマに「フランスに於けるイスラムとライシテ(1905年法の政教分離)」を4月5日に打ち上げた。4日に新任のゲアン内務大臣(前大統領官邸書記総監)は「イスラム教徒の数が増えて、いくつかの彼等のおこないが問題を生んでいる」と発言し批判されていた。リビアへのフランスの軍事介入ではサルコジ大統領を讃えて「十字軍遠征」だと論じたが逆効果で全然人気がない。フランス人の外国人嫌いにイスラム嫌いを便乗させて全フランスを右傾化させて2012年の大統領選挙に備えようとしているようだ。
ゲラン氏は「フランスは外国人が多すぎてコントロールできなくて、自分の国にいるような気がしない」と発言。
またサルコジ大統領のリビアへの軍事介入に関して3月23日にゲアン内務大臣は「幸いにも、サルコジ大統領が国連安全保障理事会及びアラブ連盟とアフリカ諸国連合(UA)を動かすために十字軍遠征の先頭にたった」と述べていて、これが多くの批判を浴びていた。
SOSラシズムはゲアン内務大臣の言葉が人種差別を教唆するものとして告訴した。クロード・ゲアン内務大臣の前任者ブリス・オルトフゥ内務大臣(前移省大臣)は、アラブ系フランス人への人種的差別発言で侮辱罪を受け750ユーロ(約9万円)の罰金刑を受けている。
仏イスラム教徒組織連盟(UOIF)のフォアド・アロウイ会長は「(極右政党)国民戦線(FN)フロンナショナルが優勢になる論理をまた持ち出した」と残念がっている。
イスラム教徒仏審議会(CFCM)のモハメッド・ムサウィ会長はではこの政府提出のデバは不真面目で共和国の平等の価値に完全に反する全く理解が困難なものであり論議には参加しないといっている。
社会党(PS)のアルレム・デジィール議員は共和国に反するゲアン氏を批判しフランス人の「外国人嫌いを高潮させている」と発言した。
ヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV )のエバ・ジョリ欧州議員は「最悪である」「大統領選挙のために、右派はイスラム嫌いを導入したようで」「フランスの極右政党、国民戦線(FN)フロンナショナル党首のマリーンヌ・ル・ペンよろも右である」と批判している。
フランソワ・バロワン政府スポークスマン(仏財務大臣)は
ゲアン氏の発言を支持して「今日イスラム教は、他に迷惑をかけていることに直面している」とフランス国営放送・テレビA2に答えている。
ジャン・フランソワ・コッペ国民運動連合(UMP)議長は
5日のラジオ「ヨーロッパ1」でゲアン発言を縮小化しようとしてか「フランス人は世界一の論外の話をするチャンピオンなのだ」と発言した。ゲアン内相の発言を後悔しているようだ。
アラン・ジュッペ外相はゲアン氏の発言を「失敗だ」といっている。
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2011年3月4日金曜日
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