9日パリ商業裁判所はフランスの北の町カレーを本拠地にするフェリー会社シー・フランス(SeaFrance)の破産を最終宣言した。このことでシー・フランスの880人の従業員らは新たな職場を見つけなければならなくなった。船会社の借金返済に充てるために船舶は売られる。パリのシテ島付近から警察に護衛されて7台のバスに一旦は乗り込んだ約300人の従業員らは。パリから北に向かう高速1号線のサンリス料金所を土木現場の機材を使ったバリケードで封鎖し、怒りをぶちまける抗議をしている。彼らは政府と国鉄(SNCF)と民主労働総連合(CFDT)の国家的決定機関を告訴して怒っている。また、ユーロ・トンネルもダンピング料金でドーバー海峡を渡る他社の船舶との競合が厳しいために、シー・フランスと同じ状況が起こる可能性もあるという。
仏国営ラジオ・フランス・アンフォの伝えるところによると、「我々は、この決定で、誰もが苛立っている。我々はまだ納得してない」といっている。彼らは子供連れで訴えている。CFDTは初めからやる気がなかった。これは恥ずべき事である。これは組合なんかではないといっているという。
また、「サルコはフランスを汚した」と叫ぶものもいたという。「我々がみんな流されるのはこれは政治的な大陰謀であり、我々の前にはガマ蛙がいる」とでシー・フランスのCFDTの組合責任者は激しく言っている。涙を流しなら語る人も多い。「我々は会社が少しづつ解体されてゆくのを知った。これはスキャンダルだ」と海で働く彼らは叫んだ。
サルコジ大統領はこれに対し訪問先のドイツから、政府は信頼できる解決策がすべての従業員に対しあるからと発言した。政府は10日に提案を出すことになった。8日にナタリー コシュスコモリゼ運輸・環境相は外国の民間会社に併合される可能性を彷彿させていたが、その場合にもシー・フランスの従業員が採用される保証はなにもない。
今後の動きが注目される。大統領選挙が近い中での事件だけに、政府は金がないがその対応は言葉だけは済まなくなっているのはたしかだ。
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