2012年1月11日水曜日

イランの増殖ウランだけでなく、福島原発事故の教訓からは仏米のウランも危険

国際原子力機関(IAEA)は9日、イランのフォルド工場での20%ウラン増殖生産開始を報道した。これをフランスは国際社会の法に違反するとしてイランの原発開発計画を厳しく批判した。米国は原油の輸入を破棄する方向で、欧米とイランの関係は緊迫している。しかし、福島原発事故の教訓からは両方とも危険なのである。そのことにむしろフランスや米国こそが早く気がつくべきであろう。


ウランの増殖は20%以下ならば原発基地の燃料として平和利用になるが、もし増殖90%以上となると原子爆弾に利用できるといっている。しかしながら欧米には、たとえ軍事的利用を目的に原発基地計画がなされなくても福島原発事故のように同じ危険を持っているという認識がいまだにできずにいるようだ。


福島原発事故は原子力の原爆利用が目的ではなかったが結果的にそれ以上の被爆の災害を人々は被ったのである。


この認識がフランスや米国には欠落している。そこにはイランや北朝鮮の製造する増殖ウランは危険であり、自分たちフランスや米国の使用するウランは安全だとする誤った自己正当化の慢心と他への蔑視がある。


これは西欧社会に一般的なキリスト教の二元論の世界観から来ているものだが、ウランの危険性を前にして、欧米を善としイランを悪とする根拠はなにもない。



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