2012年11月5日月曜日

仏で同性愛(ホモ)家族合法化 議会決議前に政治家や宗教者の論議が沸騰

近日中に予定されているフランスの同性愛者(ホモ)家族合法化の議会決議を前に賛成派と反対派でフランスの政治家や宗教家の論議が沸騰して二分化している。6日10時15分から、ホモセクシュアルな家庭で育った子供の証言が仏国営ラジオ・フランス・アンフォで報道された。その中で現在37歳になるアレクサンドルさんは、自分の父親がホモであることを一度も話すことはできなかった。この秘密の重さの下で生きることが酷く辛かったと語り、最近フランス政府が法律化しようとしているホモの結婚承認のデバ(論議)の機会は自分の苦しみを解放することになっていると語っている。

アレクサンドルさんは、「この事実を長い間にわたり語ることができなかったということが心の重荷であった」という。「私が思うには父親のホモセクシュアルが問題なのではなくて、隠さなければならなかったことなのだ」と語った。アレクサンドルさんは子供と家族に透明性が必要だとしていて、社会党政権のホモ法案を支持しているのだとアナウンサーは付け加えた。

ハイチのホモの家庭に養子になって住む18歳のマドレーヌさんは、「私たちは普通の家族のようにできるだけしてきたし、まったく普通の家庭である。2人の母がいるということを除けば」と話した。法律で承認されれば何かが変わるのか?とのジャーナリストの質問には、「法律とは別に(ホモセクシュアル)はいつの時代でもあったし今も存在しているものだ」と答えている。 

ルポルタージュを担当したジャーナリストのアリ・セラノさんは今回会ったホモの家族で育った子供たちの全部が、社会党政権が推進するホモ法案に賛成していると述べ、子供たちを陰の世界から解放し公式な地位を得させてその恩恵に浴させるためにも必要だと結論している。

インターネット新聞のメディアパー社は、いくつかのホモセクシュアルな家庭に育った子供が一般の家庭に育った子供となんら変わりのないという研究者の見解を紹介している。その中でホモの家庭に育った子供は凶暴性が少なく麻薬などに影響されない場合が多いことを指摘している。

私の取材したある僧侶の意見では、ホモはキリスト教の聖書にその禁止が書かれているということであった。聖書の中には同性との関係を禁止している箇所があるからで、教会は性関係は男女の結婚以外ではしてはならないとしているのだと話す。つまり一人の相手としか夫婦関係を結ばないことを神が要求しているのだという。

また同性の結婚は教会ではできないとあり禁止されていると語った。また社会党の考えに少し触れて、これは誤った平等思想から来たもので神は生きるためには(結婚)は良いが、ホモは違うからだといっている。結婚の目的に触れて、第1は相手が幸せになること。第2は子供を持つためだとしている。宗教者の思考は聖書の教条的な教義の現実への押し付けのようで論議は現実の事態から発してはいない現実離れが感じられるものであった。私のあなたは結婚をしたことがありますか?との質問には、「したことはない」と答えている。

ジャン・フランソワ・コッペ国民運動連合(UMP)議長や極右派の国民戦線(FN)のマリーヌ・ル・ペン氏などはこの法案に反対で、コッペ氏はホモの市庁舎での結婚式は助役に任せると発言していて明らかにホモを市民社会から排除して考えている。また同氏はオランド大統領に法案決議の延期を迫っている。

【参考記事】
http://www.mediapart.fr/journal/france/011112/lhomoparentalite-dans-les-etudes-scientifiques-2-comment-vont-les-enfants

L'homoparentalité dans les études scientifiques. 2- Comment vont les enfants ?