(パリ=飛田正夫2016/05/03 16:07日本標準時)環境保護団体グリンピースは欧米間の貿易協定のことでTTP(TTIP)ともいわれている交渉に先立つ関係超機密文書を暴露した。仏グリンピースの会長ジャン-フランソワ・ジュリアー氏が5月2日のラジオRMCに招待され話している。もし交渉が妥結するならばとして、我々ヨーロッパの環境と健康が危険に脅かされると警告した。米国では牛は成長モルモンで飼育されている。また哺乳瓶の材料ではヨーロッパでは危険だとされる材料が使われている。これらはヨーロッパでは禁止されている。しかし米国で許可されているために、現在行われている、米国と欧州共同体との関税などの市場規制を取り除く大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定TTIP( Tafta)を目標とする米国と欧州共同体との自由取引交渉が妥結されるとヨーロッパの大型スーパーなどでこのホルモン肉が売られることになると述べた。フランソワ・オランド仏大統領も少し前に成長ホルモンで飼育された牛や豚肉がヨーロッパに搬入されてくると、ヨーロッパの規格もそれに合わされることで非常に危険になると反対の見解を発表していた。この機密書類が暴露された後で欧州議会もヨーロッパは絶対に環境保護と食品安全で基準を下げることはないと方針確認の発言を発表した。特にヨーロッパ・エコロジー・緑の党(EELV)ではこの機密文書は隣国のオランダを介して取得したといっている。グリンピースでは、欧州議員が開示できないような秘密文書があることに透明性の不在を弾劾している。グリンピースではこの交渉は大企業の為であり、公共の健康と環境がかかっている重大なことだとして、グリンピースでは公共の論議(デバ)を起こし、この交渉を止めて協定を廃止することを欲しているという。
TAFTAはTTP(TTIP)などとよばれる商業と投資に関する米国とヨーロッパとの間での自由交易条約のことだが、一般には大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定などと名称されているもの。4月24と25日にメルケル独首相の招待でオバマ米大統領が欧主要国と米とが、ニーダーザクセン州の州都ハノバーに集まった時に、この問題を話そうとしたオバマをさえぎって、この話はここでは話してくれるなとオランド仏大統領に釘をさされていたもので、ハノバーではこの件でエコロジーなどから多くの抗議デモがあった。ルモンド紙がこの238頁の秘密文書を手に入れた。これを環境保護団体のグリンピースが漏洩させた。
そこでは米国とヨーロッパとの間で、農業、テクノロジー、衛生対策、中小企業などに関する協定で意見の対立があって、両陣営の交渉の障碍になっていることが書かれている。これらの内容は先週に米国で開催された第13回の会議での交渉で超機密文書とされてきたもの。オバマ米大統領は2016年末までに次期大統領就任前にはこの交渉に決着をつけたいと考えていた。しかしルモンド紙によると米国の交渉者は今後は大西洋間の条約を結ぶTTP(米国と11カ国)を用い、2016年合意のTafta合意からは離れていくという。
【参考記事】
http://blog.greenpeace.fr/cp/ttipleaks-le-droit-de-savoir-a-quelle-sauce-on-veut-nous-manger?gclid=CjwKEAjw9Zu5BRCS_OuVibujhQ0SJAD7t4Kr_jgXFvu2TvSP-EZxTxhmfhi2-XaN2GxNVpjdt_mTxBoC6C3w_wcB
http://www.lejdd.fr/International/UE/Greenpeace-fait-fuiter-les-documents-de-negociations-sur-le-Tafta-783681
http://www.rfi.fr/europe/20160502-greenpeace-traite-transatlantique-tafta-ttip-etats-unis-ue-documents
https://www.youtube.com/watch?v=tJIzTrdVtO8
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ハノーバー到着のオバマ米大統領 EUとTTIPl合意希望に オランド仏大統領らが反撃
http://franettese.blogspot.fr/2016/04/euttipl.html