2011年3月18日金曜日

国連安保理が「カダフィ空爆」を投票で承認 リビア外相は「不安定化と分裂を狙った」と反批判

リビアのカダフィ軍に空爆攻撃を行使することで国連安全保障理事会の投票が3月17日夜にされた。15カ国のメンバーのうち中国、ロシアなど5カ国が棄権したが、仏、英、米など10カ国の賛成で合意されたと「ルモンド紙fr.」は伝えた。この投票に対してリビアのカレド・カイム外相は「この決定は、リビア国家の不安定化と分裂を狙ったものだ」とし、「国際社会の攻撃的な態度」また「今回の投票は仏・英・米と国際社会の共犯で、リビア人同士の殺し合いを糾合したものだ」であると厳しく批判した。

国連安保理の決定では、すべての必要な方策で市民の安全保護とリビア軍隊の攻撃を阻止させることを承認していている。中国やロシアは拒否権の行使を主張しなかった。

18日の「ルモンド紙fr.」はフランス外相のアラン・ジュッペ氏は国連安保理の投票に先立って次のような演説をしたことを伝えた。

「我々だけがするのではなく連合として行うのだと、アラブ諸国の支持が得られるだろう」と投票前に話した。さらに「フランスの作戦行為ではない、これは国際社会の行為である」と強調していたと報道されている。しかし17日夜のフランス国営放送・テレビA2に出演したフィヨン首相はこの問題に触れた中でキャスターはフランスが初めにカダフィの攻撃を宣言したことを強調して話していた。

このサルコジ大統領の主張であるリビアのカダフィ大佐への空爆攻撃はリビアの市民の安全がはたして守られるのかとういう危惧が大きい。さらに何故空爆という非人道的な手段が論議されなければならないのか?この辺に広島や長崎に原爆を落とした人権無視の思想がはびこっていると考えられる。

たとえ独裁者でもそれに空爆を加えることはおなじく独裁者の行為であリ、これまで戦闘機などをリビアに売ってきたジュッペ仏外相やサルコジ大統領の思想は恐ろしい戦争を是認することを許してしまっている。

戦争に限定空爆などが通るわけがない。リビア側や棄権した5カ国の意見などは十分に論議されたのであろうか?一部の国の問題が、国際社会の決定だと鋳なおされて非人道的殺害が国連安保理の名で許されることが不思議である。


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