2012年1月31日火曜日

「不備な防備」で仏兵10人死亡、「戦場に送り出された」と遺族が裁判で責任追求

30日、パリ高等裁判所は2008年にアフガニスタンのウズバン(d'Uzbin)で10人の仏兵が待ち伏せにあって死亡した事件の司法調査の開始を承認した。これは遺族が仏軍兵士の過失致死に疑問を提出していて裁判を求めていたものだ。防備の不十分な兵士が戦場に送り出された責任を遺族は追及している。


重大な事件なので仏国営ラジオ・フランス・アンフォやフランス国営放送テレビA2なども間単には伝えているが遺族側の要求を詳しくは伝えてないようだ。

ルモンド紙によると9人の仏軍兵士は2008年8月18日にタリバン勢力の蜂起するカブールの東で死亡した。もう一人の兵士は負傷兵を助ける作戦の中で車に戻る時に死亡している。21人がこの戦闘で負傷した。

この当時は2001年のタリバン勢力の凋落後で、国連軍の中でも最も大きな死者をだした事件として、サルコジ大統領がアンバリッドの廃兵院で国葬をした。しかしこの死亡に遺族からの疑問が当時から起こっていたのだが、大々的な国葬の演出に隠れてしまい話題にならなかったようだ。

犠牲者の遺族たちは、仏軍の戦闘は準備が整わないまま、武器も不足している中でタリバン側の勢力を過小評価した作戦であったと見て責任者の誤認を問うている。

当時、この犠牲兵らはフランスから送り込まれて来たばかりの青年兵であった。米軍ヘリコプターが援護に入る予定だったといわれていた。

現在、フランス軍はアフガニスタンに3600人駐留しているが、たとえ軍人であろうと1人でも殺害されたり逆に敵を殺害したりしてはならないという思想が欠落しているようだ。まずは、戦争で兵士が戦って死ぬことを正当化する誤った思想が横行しているのを無くさなければならないだろう。