2012年2月11日土曜日

マルセーユのル・コルビュジェの現代建築、シテ・ラディユが火災

9日から10日にかけてマルセーユのル・コルビュジェ(Le Corbusier)の現代建築で有名なラディユーズ(Ville radieuse)のシテが火災になった。この火災で被害を避け安全のために建物に住む1600人ほどの住民が避難させられた。






ユーチューブ掲載のBFMTVによると、334個ある各アパートは100平米あり、内部が2階続きになっているものでデプレックスと呼ばれる。火災は13時30分ごろに、この2階から起こりすぐに上部の階へと移っていった。10個ほどのアパートが全焼した。ル・コルビュジェ建築の構造からくる避難の困難性も指摘されたが、消防隊員からは子供たちも安全であると伝えられている。
これは、ル・コルビュジェが1950年代に社会の連帯住居の構想で郊外に建てられたもので、保育所や郵便局・体育館・ホテル・商店など町の集団社会の機能する空間が建物内部にそなわるものだ。

当時は縦になった村と呼ばれて、道路の喪失が話題になっていた。各アパート内部の部屋の間取りや物の収容空間なども工夫され機能な色彩が強くでているものだが、機能主義としてまとめてしまうには余りにも大きな問題を提示した建築家で、人間社会と都市化の問題を考える上で重大な意味を提示し続けている。

ル・コルビュジェは20世紀現代建築を根本から転換させた大建築家の1人で、フランスとの国境の山岳地帯の丘陵に広がる黄色い色調の石灰(ショー)で壁を塗った立派な建物が多いスイスの町、ショー・ド・フォン(Chaux-de-Fonds)に1887年に生まれた。亡くなったのは1965年で南仏の地中海の高級保養地のロックブルーン・カップ・マルタン(Roquebrune-Cap-Martin)である。


【参考記事】
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