2012年3月13日火曜日

サルコジ仏大統領候補、ビルパント講演で「助けて」と、支持を極右派に求め

大統領任期の5年間でなぜやらなっかったのかの回答を避けて、欧州財政危機の恐怖を大きく扇動した12日のパリ北近郊ビルパントでの与党政権国民運動連合(UMP)のミーティングで結果的に2012年のフランス大候補を3月初旬になってから宣言したサルコジ大統領が求めたものは、「助けて欲しい」と集まった支持者に対して発言したことであった。対抗候補のフランソワ・オランド社会党前書記長に大きな差をつけられている現状では、今週末までに極右派の国民戦線(FN)のマリーヌ・ル・ペン候補が大統領選挙出馬に必要なフランス全国の市長500人以上の支持が得られない場合には、その FN の支持票がサルコジに集まることが予想される。それを狙ってのサルコジの ビルパントでの講演であったと見られる。


12日深夜に国営テレビ5チャンネルでエックスプレス誌のクリストフ・パルビィエー氏、日曜新聞(JDD)のブルノ・ジュディ氏、南西新聞のブルノ・ディブ氏、バリュー・アクチュエルのギィヨーム・ロケッテト氏らジャーナリストが参加して討論会を開いた。討論は対立する論争というよりも各自の見解が述べられた。

先週に注目すべきサルコジの発言は「ほとんど何も無く」、あるとすると、「もし大統領選挙で負ければ政治生命を絶つ」という発言ぐらいでしかなかったという。

サルコジがマリーヌ・ル・ペンの支持者層を獲得するために右派の人気を狙っての欧州域内での自由な労働と往来をうたったシュンゲン協定を攻撃したのだという。サルコジが「助けて欲しい」と何度もビルパントの講演でいったのはこれに反対する右派の支持を集めるためで大きく右傾化してきているわけだ。来週からは選挙戦が変わるのはこのマリーヌ・ル・ペンが大統領選挙候補に出られるかどうかにかかっている。

サルコジは欧州の危機を大きく叫び外部から脅かされていると見立てることで、その境界であるシュンゲンを利用して内部強化を強調している。体外排斥と体内結束の同時性を恐怖を募ることで狙っていると考えられる。そういう扇動的な発言がしばしば見受けられるからだ。しかしこれはこれまでの5年間の大統領の任期にあって自分のなすべき責任を他に回避したものでしかないだろう。だから、「強いフランス」という大統領選挙のスローガンがなぜか白々しく感じられる。

ジャーナリストの意見では本当の中道派(サントリスト)はUMP内部から去った(28%)ジャンルイ・バルロー(前環境相)などではなくて、フランソワ・バイル議長の民主運動(モデム)なのだという。しかしその形態で失敗していると指摘している。大統領選挙第1次投票まで41日と迫ったが、今週中に巻き返しに成功しない場合はサルコジはますます困難な状況に追い込まれるとジャーナリストたちは見ている。オランドのそれに対してサルコジの政権プログラムの全貌がいまだに明かされてないことも話題になった。