19日、フランス原子力産業のリーダーであるアレバ社の前社長アンヌ・ローベルジョンさんとその夫のオリビエ・フリック氏は、職業上の秘密が不法に盗聴されたとして訴えを起こした。21日にパリ地検は予備捜査を開始した。10年以上も アレバ社長のトップにあったアンヌさんが2011年6月の任期終了と共に本人の意思に反し辞任させられたことで、疑惑はスイスの私設スパイ会社社長マリオ・ブレロ氏が5万ユーロ(約525万円)の予算で、アンヌさんが辞任されられた以前の2011年2月から6月に及ぶ長期にわたって、夫 フリック氏 の銀行口座や電話が盗聴されていたというもの。
このスイスのスパイ会社には社名がない。パリ・マッチ誌の報告によるとアンヌさんはスイスのスパイ会社の盗聴見積もり書を入手しているという。この盗聴行為を依頼したのがアンヌさんの側近であったアレバ社のウラニュウム採掘部門の社長であるセバスチャン・ド・モンテスィウス氏だとされているが、同氏はこれを受け入れてないと同誌はいっている。
サルコジ大統領はアンヌさんを辞めさせてアレバ社の№2であったリック・ウルセル氏を昇進させて、社長にしたとされるが、これを大統領は否定している。競争相手のフランス電力(EDF)のアンリ・プログリオ社長もアレバを狙っていてアンヌさんとは仲が悪かったが、サルコジ大統領とアンヌさんとの関係も良くなかったという。アンヌさんはミッテラン元大統領の側近であったためだとされる。
フリック氏には、アレバ社のナミビアでのフラミン社のウラニウム採掘で、2007年に違法な買い付けの可能性があったのではないかと疑問視されてきている。
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